きみを死なせないための物語(ストーリア)3巻
作者は『アンの世界地図 ~It’s a small world~』の吟鳥子先生。
宝島社『このマンガがすごい!2018』オンナ編の第7位にランクインした『きみを死なせないための物語(ストーリア)』(作画協力:中澤泉汰)
表紙の美麗ぷりが気になって購入。
この美麗さとSFがなんともミスマッチ感を感じて逆に気になりました。
『きみを死なせないための物語』登場人物
アラタ ネオニティのF4。東京コクーン出身。ターラ、シーザー、ルイと第一パートナー契約を結ぶ。現在は国連大学コクーンの研究者
ターラ ネオニティのF3。デリーコクーン出身。アラタに想いを寄せている。
シーザー ネオニティのF3。NYコクーン出身。友人思いの快活な少年。父が大統領選に立候補した。
ルイ ネオニティのF3。パリコクーン出身。かつてダフネー症患者の祇園と第三契約を結ぶが破局。
祇園 東京コクーンの歓楽街に住むダフネー症の少女。ルイのプロポーズに応じるが結婚式の日に東京スペースツリーから落ちて死亡
ジジ ダフネー症被験体の少女。
憲兵(ガード)の双子 憲兵(ガード)は天上人(テクノクラート)の下部構成員。アラタの前にしばしば現れ、査定(ジャッジメント)を執行する
『きみを死なせないための物語』第3巻収録epi.11〜15までのあらすじ
相変わらず検査ばかりのジジ。初めは優しかったリサもダフネー達に対して『差別はしてないけど区別はする』
そんな中ジジは同じダフネーのマリィにシーザーから教えてもらったおとぎ話を語る
『昔……昔……
その昔…………
美しいダフネーのお姫様に『恋』をしたネオニティの王様がいました
……王様はダフネーのお姫様にふられちゃいましたが…………
今でもずーっとそのお姫様のことが好きなのです
……長い長い……
終わらない寿命の中で……
ずーっと『恋』をしているのです
…………今でも…………』引用:『きみを死なせないための物語』3巻
そしてアラタを探しにきたジジとルイと出会う。
相変わらずのルイの傲慢さは変わらないですが、ジジを『ダフネーのジジ』ではなく、『緑の目のジジ(グリーン・アイド ジジ)』と呼ぶ。
ルイとシーザーの関係は相変わらず進展せず、ルイはシーザーを拒んだまま。
アラタにシーザーは18年間努力してるのになんの情も湧かないのか?と聞かれても
『僕が恋したひとは祇園さんだけだからね』と…
そして話はうって変わってアラタがまだ幼少の姿をしていておばあちゃんが生きていた頃に。
おばあちゃんだけがアラタは『普通のネオニティではない』ことに気がつくのです。
そして、このコクーン社会で禁じられた本をアラタに託すのです。
ソウイチロウや天上人(テクノクラート)が人類から奪おうとしている地球人類の遺産を守ってほしい、と。
そして現在の時間軸に戻りアラタ、ターラ、シーザー、ルイはパーティーに出席する。
そのドレス姿のターラを見てジジはお洋服が欲しい、とアラタとターラにお願いする。
一方、マリィはラリック教授にお洋服が欲しいとお願いするのだが…。
久しぶりに登場したリュカはアラタを食事に誘い、奇妙な現象を発見した事を報告する。
偶然同じ店にジラフとライオンも現れるのである。
なんとジラフは自分の病気を『知ってる』状態であるとライオンはアラタに告げる。
ジラフはライオンのパートナーとなった事でリストイン(安楽死)から解除されたのだ。
一方のシーザーはルイに生殖パートナーは別の女性と契約するが第三パートナーになってほしいと告白する。
しかし、ルイはシーザーの付属品として社会的価値をつきつけられるより自分の芸術を抱いて死ぬほうがいい。そしてルイはシーザーとは最高の親友だったから第一(キッズ)パートナーのままでいたかった、と…
ルイに振られたシーザーはメチャクチャになりたいとアラタを無理やり連れだし2人で事件以来久しぶりに東京旅行へ行くことに。
そして京都へ行き祇園さんに魅入られた老人と出会ったのだ。
その老人に案内された先で望遠鏡を見て涙する
その頃ルイとターラは、第二パートナー解除したシーザーについて話し合おうとするが、
ルイはシーザーを『いつも安全圏から笑顔でほどこしをするだけの男だ』と一蹴。
またターラにも『目の前にたくさんの悲しい理不尽があるというのに小さなダフネーの女の子ひとり本当に救おうとはしていない』と…
この後ターラはダフネー研究に向き合おうとラリック教授に会いに行くが信じられない光景を目にしてしまった。
ルイも助けに入り即刻通報するも、処分されるのはダフネーのマリィだけ。
問題を起こしたダフネーは不要とされリストイン(安楽死)されてしまったのだ…
『きみを死なせないための物語』3巻 感想
3巻の最後は切なかった…
マリィがかわいそうすぎる…
だけどこの問題って現実社会にもあり得ることだと思います…
すごく硬い倫理観で押し込めてるこのコクーンでも差別は普通に存在してる。
同じ人間でも決して等しい価値ではないと告げているような。。。
話が進むうちにルイがどんどん良く見えてきました…
今までは「祇園さんとの思い出に、過去に取り憑かれて時が止まっている」印象だったルイの株がこの3巻で特にアップしました!
ルイって作画力も相まってものすごく綺麗な男の人だわぁ~
ルイはこの物語の中では異端な考え方・存在だとしても、その考え方にとても共感します。
それは私がこの物語でいう地球に住んでいた旧人類だからなのか…??
だけどシーザーはやっぱり不憫。
全てを持っているであろうシーザーでもルイの愛を得ることはできない。
あんなに尽くしてるんだけどね…
もう少し報われるといいな、と思っちゃう。
そして主人公として今一つパッとしなかったアラタの能力も明らかに。
天上人(テクノクラート)はアラタを狙ってるのかな?とか思いました。
余談ですけど、11話のタイトルである『シルヴァー・バーミューダ』ってどういう意味なのでしょうか。
改めてお話のタイトルに注目すると、すごく意味深ですね。
epi.11 シルヴァー・バーミューダ
epi.12 わたしたちが地球にいたころ
epi.13 愛は種のさだめ、
epi.14 種のさだめは死
epi.15 自己中心的に世界で愛を叫んだけだもの
ますます謎が深まりそうな4巻も楽しみです(^.^)
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